forest gardenの覚書

in the forest garden:映画/芳香/文体/猫/天使・・・魔法香水、作ります。

年始に振り返る昨年末のこと、そして今年について。

あっという間に年が明け、お正月気分も過ぎ去り、平常運転が始まろうとしている。

前回のブログから2カ月くらい経ってしまった。

こうして間が空いてしまうのは、私が元々アメブロをメインに書き続けてきたせいで(やめていないし)、こちらが後回しになってしまうのだ。たまにとはいえ他のSNSもあったりするしね。

当初、はてなブログには香り創作について書く予定だった。

ところが、香り関係の活動が延期になってしまったために、ここにもアメブロと重なる映画や美術のことを書いていたら、どうしても放置しやすくなるのだ。

そんなわけで、ここにはやはり香りのことを書くべきなのかもしれない? と思案している。

 

でもまあ今日のところは、ご無沙汰していた間の映画や美術について触れることにする。

東京国際映画祭のための東京滞在から戻って以後、映画は11月に三宅唱『旅と日々』をシネリーブル神戸、12月に『ポラン』を神戸ものづくり会館で鑑賞した。

展示は12月に上村亮太『前夜』を花森書林にて滑り込みセーフで最終日に鑑賞。この展示体験はかなり掴まれた。

上記の映画も良かったけれど、『前夜』という個展は、これまで観た上村亮太さんのどの展示よりも不穏な胸騒ぎが凄く具現化されていて、あの花森書林のごちゃごちゃした小さな空間の奥で息づいているのが、いきなり突き刺さってきた。

 

……そんな感じ。

またお会いしましょう。

Bon Voyage★

『マスターマインド』『春の木』@東京国際映画祭など

2泊3日で東京へ行っていた。

東京国際映画祭TIFF)や美術館を訪問するためである。

TIFFでは、ケリー・ライカート『マスターマインド』とチャン・リュル『春の木』を観た。

私のコンディションのせいもあるのかもしれないが、あまり響かなかったというか(もちろん良く言う人もいる)、その後の時間をパッとしない気分で過ごすことになった。

 

少し前には、ヤン・シュヴァンクマイエル特集や『テレビの中に入りたい』、ブライアン・イーノのドキュメンタリー『Eno.』(観る度に変わるらしい)、PTAの新作『ワン・バトル・アフター・アナザー』など、いくつか観てはいたのだが、書かないまま時間が流れてしまった。

特に、イーノのドキュメンタリーは素晴らしくて、彼の暮らしぶりや作業風景、仲間たちの映像など、どれも興味深いものだった。

 

TIFFでの『マスターマインド』は、ベトナム反戦運動や女性人権運動に揺れる1970年代を背景に、妻と子がありながら美術品の窃盗に手を染めて追われる身となり、ただ流されていく平凡な男の姿を、ドラマチックな要素を排除して淡々と描いている。

だから何だって感じなのだけど、こういうどうしようもない男って結構いたりするのだ(なぜか妻がいたりする)。

 

『春の木』は、女優を辞めて猫連れで故郷の四川に戻った女性(方言が話せなくなっている)が、自分に標準語を叩き込んだ師に再会し、その息子と交流を深めていく。

また、自分を産んだ母親(いまだに男とすったもんだしている)ともやり取りするようになる。

猫は猫で、思うところがありそうだ。

そんな様々な視点がとりとめなく展開する。

何となくのらりくらり加減が好きな人と、自分探し的な世界が苦手な人に分かれそうだ。

 

映画祭の合間にワタリウム美術館で素晴らしい展示を観たので、近いうちに書いてみたい。

 

寒暖差が激しい不安定な気候の中を動き回ったせいか、風邪っぽくなってしまった。

これを読まれた貴方も、どうぞご自愛ください。

 

Bon Voyage★

 

『九月と七月の姉妹』

ご無沙汰していた真夏の間に観た映画は、ペドロ・コスタの『溶岩の家』@元町映画館くらいだった(『国宝』も一応観たけれどね)。

なので、やっとこさ先週末に封切りホヤホヤのアリアネ・ラベド(ヨルゴス・ランティモスのパートナー)『九月と七月の姉妹』に飛んで行けたことは自分でも嬉しかった。

sundae-films.com

10カ月違いで生まれた一心同体の姉妹・セプテンバーとジュライ。まるで正反対の姉妹は、お互いしか理解できない強い絆で結ばれている。ある日、学校でのいじめをきっかけに、シングルマザーのシーラと共にアイルランドの亡父の家〈セトルハウス〉へ引っ越すことになる。新しい生活の中で、次第にセプテンバーとの関係が変化していることに気づき始めるジュライ。「セプテンバーは言うー」ただの戯れだったはずの命令ゲームは緊張を増していき……

長くセプテンバーに支配されてきたジュライが独り立ちすることはなかなか難しい。

デリケートな年頃の女の子、しかも姉妹、そして姉妹と向き合う母親……女性の心や体について、ガーリーでエキセントリックな雰囲気だけでなく、生理的&有機的な温度や湿度を感じさせるところまで描いている。

女性でなければわからない領域について、いわゆるふわっとした表現を超えてくる稀有な作品。

ヨルゴス・ランティモスとはまた異なったストレンジ感が溢れていて、これからも楽しみ。

 

観たら、原作も読みたくなる。

https://amzn.asia/d/fVrzais

 

Bon Voyage★

ふたばZINEフェスにて

先週末の7/19(土)〜20(日)は、「ふたばZINEフェス」(@神戸・新長田のふたば学舎)に参加していた。

昨夏より、文と絵と写真すべてを自分で手がけた小さなZINEを季節の移り変わりに合わせてコツコツ作っているのだが(創刊号のみ300円で、その後#6までフリーペーパーとして製作し、独立系の書店やカフェなどに置いてもらっており、そのうちまとめていこうと思っている)、それらだけでなく、過去に出したDVDや幻のサンプル盤なども展示した。

↑緑色の布を敷いているのが私のブース。

様々な作家さんや本屋さん、出版社、飲食、ワークショップ、イベントなどで盛りだくさんの会場は、ひと通りさっと見て回るだけでも大変な規模である。

ついついお客様気分になり、自分のブースそっちのけであちこち出歩いてしまった^^;

5月に参加したKIITOのZINEフェスは、1フロアでZINEに特化していたけれど(とはいえZINE以外のブースも多かった^_^)、ふたば学舎は会場自体が多層的で、本にまつわる幅広い関係者が賑々しく集っていた。

学舎の入口でしらす丼とコージーコーヒーのアイスラテを購入して、しっかりランチも堪能。

 

以下、会場内の他ブースの写真を並べてみる。

 

アート集団「砂」と仲間たちのブース。

 

川柳チームのブース。

 

コージーコーヒーのサイバーパンクなZINE。

 

ファンタジーを創る人のブース。

 

お隣は、思い出の景色を描いていた。

 

ゲームボーイで撮った写真集らしい(チョモランマ水産)。

 

私と同じテーブルで展示していた並びのアーティストは石が好きで描いている人だったのだが、写真を撮り損なってしまった。また見つけ次第アップするので、今日はこの辺にて。
思いがけない体験や出会いに恵まれた2日間なのだった。

 

熱中症に要注意!

Bon Voyage★

「アンゼルム・キーファー:ソラリス」展@二条城

そして、うかうかしていたら、またしてもいつの間にか6月も半ばを過ぎている。

5月はオリヴェイラ特集で『カニバイシュ』『絶望の日』、ロウ・イエ特集で『未完成の映画』を観た。

(つい先日は『国宝』を観た。)

それらは素晴らしい映画体験だったけれど、京都二条城での「アンゼルム・キーファーソラリス」展は比類なき存在感だった(6/22まで)。

二条城という強い空間で、自然光の中、作品たちはただそこに息づいていた。

22日まで。

 

Bon Voyage★

レオス・カラックスとアラン・ギロディで過ごした幸福な4月

またしてもあっという間に黄金週間は過ぎ去り、4月にはてなブログを書いていなかったことに気づく。

4月は不安定な気候だったけど、映画館にちょっぴり足を運べて(そりゃ入り浸ってた頃に比べたら雲泥の差だけど)、映画的には幸福な月だった。

それは、レオス・カラックスによる40分弱の最新作『IT'S NOT ME』と、アラン・ギロディの最新作『ミゼリコルディア』を観ることができたからだ(特集として『湖の見知らぬ男』『ノーバディーズ・ヒーロー』も上映)。

ギロディは2017年にアンスティチュ・フランセで『湖の見知らぬ男』を観て以来になるが(その時の衝撃たるや)、劇場で一般公開されるのは初めてなので喜ばしい状況である。

        *

レオス・カラックスの『IT'S NOT ME』は、カラックス自身によるカラックスのイメージ・コラージュ。

www.eurospace.co.jp

始まるなり、ゴダールへのオマージュ感が伝わってくる。

ただ、ゴダールほど気難しくはない。つまりゴダールがいかに気難しい人物であったかが窺い知れる。

しかも40分ちょっとなので、楽に観られる。

 

そして…… 

アラン・ギロディの最新作『ミゼリコルディア』は、かつて修業をした村のパン屋の主人が亡くなり、その葬儀に訪れた青年を取り巻く奇妙な村人たちを描いていく。 

www.sunny-film.com

   

やがてその村で謎の失踪事件が起こるのだが、一瞬『テオレマ』を思い起こすほど、のらりくらりとした青年の周囲で人々が色めき立つ。

そして、青年と神父の告解シーンの異様な密度に戦慄する。

「ミゼリコルディア」とは、「慈悲」あるいは「あわれみ」という意味らしい……深く感じ入ってしまう。

必見! 

        *

この後の映画旅は、オリヴェイラ監督特集とロウ・イエ『未完成の映画』へと続くのだった。

 

Bon Voyage★

 

3月は映画館にほとんど行かなかったけど、展示体験は素晴らしかった。

何と、気がついたら3月を通り越して4月になっていた^^;

3月はなぜか映画館に行かなかったのだけど(いや、1本観た。『名もなき者』だ。忘れてしまってsorry……)、美術館などの展示には出かけたし、印象的な体験をした。

 

★30年目のわたしたち@兵庫県立美術館

www.artm.pref.hyogo.jp

阪神淡路大震災から30年をめぐって、複数の作家が作品を展示。

出展作家:束芋、米田知子、やなぎみわ、國府理、田村友一郎、森本未来、梅田哲也

これだけの作家が集まると、それぞれの異なるアプローチを見ることができて、それだけでも興味深かった。

 

★Majimekko展@シオヤコレクション

多方面で活躍するサラ・デュルトさん(アーティスト森本アリさんの妹)が子どもの頃に纏った洋服を展示。長年コンディションが保たれていることにも驚かされるが、ノスタルジックな中に添えられた文章が光る。

 

竹久夢二@あべのハルカス美術館

関西圏に移り住んで1年だけど、まだ馴染んでいない。特に大阪駅では必ず迷ってしまう。当然ながら、あべのハルカス内でも迷ってしまった(^^;)

大正モダンでよく知られた夢二だけれど、改めて作品に対峙すると、詩画や色彩のセンスが多様な作品に発揮されていて見応えがあった。

 

★石の博覧会@塩屋「海角」(4/13(日)まで)

塩屋の文化複合施設「海角」全館で石にまつわる展示やイベントを展開。特に舫書店での「石すもう」の異様な熱気には圧倒された。「石すもう」とは、力士が繰り出す石の勝敗を観客の拍手によって行司が判定する競技である。もしかしたら、石は子どものように無邪気な情熱を引き出すのかもしれない。

 

★「パウル・クレー展 創造をめぐる星座」@兵庫県立美術館(〜5/25(日)まで)

ギャラリーの販売戦略で「孤独に瞑想する画家」のイメージが広がったクレーだが、実は多彩な作品制作を展開する過程で、同時代の仲間たちと影響し合う面も多々あった。そんな彼の活動をきめ細かく伝えてくれる展覧会。

 

今月末からはまた映画館に繰り出す予定なので(アラン・ギロディ監督特集、レオス・カラックス『IT'S NOT ME』など)、乞うご期待!

 

Bon Voyage★